水落建築士、2つの同じソフトで構造計算書を「合作」
京都市のホテル2棟で耐震強度の偽装が指摘された問題で、ホテルの構造計算を請け負った田村水落設計(富山市)の水落光男・1級建築士(58)が、同一の一貫構造計算プログラムが入ったソフト二つを使って数値をはじき出し、それぞれの結果を構造計算書の中で混在させていたことがわかった。一つのソフトで最初から最後まで構造計算するのが基本ルールとされており、京都市は不自然な操作があったとみて、「合作」部分に問題がないか調べている。
市の説明などによると、水落氏が使ったのは「BUS―3」という構造計算プログラムで、事務所には同じソフトが二つある。市に提出された「アパホテル京都駅堀川通」の構造計算書(約1000ページ)では、途中まで一つ目のソフトで計算されていたが、梁(はり)のたわみや柱の断面の検討部分(約100ページ)が二つ目のソフトで計算され、その部分が差し替わっていた。
市は昨秋、構造計算書に記されたソフトの識別番号が途中で変わっているのに気づき、水落氏に「一つのソフトで計算すべきだ」と追及。水落氏は「そう思う」と答えたという。市建築指導部は「一つのソフトの計算結果をまとめて出力すれば済む話で不自然だ」と指摘。同じプログラムを使った調査で数値に若干の違いが見つかり、精査しているが、耐震強度の計算結果が大幅に変わる可能性は低いとみている。
水落氏は朝日新聞の取材に「複数のスタッフが二つのソフトで構造計算した。当時は識別番号をそろえる意識がなかった。強度偽装は断じてやっていない」と話した。

