2006年12月06日

新築は400平方m以上に制限 芦屋市が条例改正案

朝日新聞
新築は400平方m以上に制限 芦屋市が条例改正案

 日本屈指の高級住宅街とされる兵庫県芦屋市六麓荘(ろくろくそう)町(252世帯)で「敷地400平方メートル以上の一戸建て」しか新築できないようにする条例改正案を4日、市が議会に提案した。相続税を払えないなどの理由で土地を手放す地主が相次ぎ、住民が求める「閑静な住宅街」の維持が瀬戸際にあるためだ。高級感を最大の特徴とする芦屋ブランドを守りたい市が、住民の要望を受け入れた形で、全国でも異例の「豪邸しか建てられない街」が生まれることになりそうだ。
 六麓荘町の住民は、開発当初から町内会独自の協定を設け、高級住宅街の維持に努めてきた。協定では、建物は一戸建ての個人宅に限り、新築と増改築には町内会の承認が必要▽敷地は400平方メートル以上▽町内での営業行為は一切禁止する――などを制定。このため町内にマンションや商店はまったくない。
 しかし、バブル経済の崩壊後、資金調達のために土地を売ったり、相続税を払えなくなって土地を物納したりする住民が続出。町内の物件の約7割を手がけてきたという「芦屋不動産」(芦屋市)の深見徹五郎会長によると、この15年で約50件の土地が分割されるなどして手放された。土地を差し押さえられ、競売にかけられた例もあったという。
 住民の危機感が一気に高まったのが03年8月、甲子園球場のグラウンドの約半分にあたる約7400平方メートルの土地が一度に売りに出された時だ。バブル期は3.3平方メートル(1坪)あたり700万円した土地が約100万円まで下がり、協定に反して老人ホームを建てる計画が持ち上がった。住民たちの反対で一戸建て用地として分割売却されたが、住民たちは04年12月にまちづくり協議会を結成。市に条例づくりを働きかけてきた。
 市が提案したのは地区ごとの建ぺい率などを定めた「建築物の制限に関する条例」の改正案で、対象地域は、六麓荘町の全体約37.7ヘクタール。400平方メートル以上の敷地への一戸建て住宅しか新築を認めない▽建物の高さは10メートル以下にする――2点が柱で、町内会の協定を踏襲した。同市建築指導課は「高級住宅地としての芦屋ブランドを守りたいという意思が住民と一致した」と説明している。
 まちづくり協議会会長で、大阪土地協会理事長でもある武村泰太郎さん(77)は「土地の利用方法を条例で制限すれば価値が下がるという意見もあったが、住環境を保つための規制なのでそうはならないだろう」と話す。
 関東では東京都世田谷区が、同区玉川田園調布で都市計画法に基づく地区計画で敷地を160平方メートル以上と130平方メートル以上の2種類に制限している。同区成城では自治会が「成城憲章」を定めて250平方メートルを標準的な敷地とし、相続税対策で土地を分割する際は1件の広さを125平方メートル以上とするよう定めている。
 国土交通省市街地建築課の担当者は「一戸建ての敷地面積にゆとりを持たせる規制は他地域にもあるが、200平方メートル程度を確保する場合が一般的で、400平方メートル以上は聞いたことがない」としている。

〈キーワード〉芦屋市六麓荘町
 1928(昭和3)年、大阪の財界人らが設立した「株式会社六麓荘」が、香港の白人専用街区をモデルに開発したとされる。景観に配慮して電線を地下に埋めたり、治安維持のため町内会館に駐在所を設けたりと先進的な街づくりを進めてきた。六甲山系のおいしい水を飲むために自前で浄水場をつくったこともある。町内会の入会金は50万円。
posted by たけかん at 19:05| 岩手 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月05日

耐震偽装被害者へ義援金420万円

朝日新聞
耐震偽装被害者へ義援金420万円

 耐震強度偽装事件で退去を余儀なくされた分譲マンションの住民に、全国各地のマンション住民らから総額420万円の義援金が届けられることになった。NPO法人・全国マンション管理組合連合会(京都市)が6月から傘下の組合などに呼びかけていたもので、生活再建に苦闘する被害者たちへ、年の瀬の贈り物となる。
 同連合会によると、支援対象は、耐震強度0.5未満と判定され、使用禁止命令を受けたヒューザー分譲のマンション11棟。住民の代表らと相談しながら、年内に各管理組合に均等に分配する予定という。
 昨年3月の福岡県西方沖地震で義援金に励まされた被災マンションの住民から「同じマンション住民として何かできないか」との声が相次いだのが義援金のきっかけ。傘下の3175組合と約30万戸の入居者に寄付を求め、一般にも協力を呼びかけたところ、11月末までに418万8939円寄せられたという。
 偽装マンションの住民は多額の住宅ローンに加え、建て替えの場合は1戸当たり2000万円近い追加負担が見込まれる。全国から寄せられた善意に、ある偽装マンションの管理組合役員は「金額よりも、大変だなと思ってくれている気持ちがうれしい。建て替え準備の活動費にあてたい」と話した。
posted by たけかん at 20:36| 岩手 曇り| Comment(0) | TrackBack(1) | 構造計算偽造 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年12月04日

50室以上のホテル、車いす用客室を義務化へ

朝日新聞
50室以上のホテル、車いす用客室を義務化へ

 ビジネスホテルチェーン「東横イン」で発覚した違法改造問題を受け、政府は、客室が50室以上あるホテルに対し、車いす用の客室を1室以上設けるよう義務づける。交通バリアフリー法とハートビル法を統合した「バリアフリー新法」を20日から施行するのに合わせて、設置義務化の条項を盛り込んだ施行令を、5日の閣議で制定する。
 新法施行令は、高齢者や障害者にとって利用しやすくするべき場所として、都市公園や歩行者用回廊などを新たに追加。ホテルへの車いす用客室の設置は旧法の施行令に義務規定がなく、各自治体が独自の条例で設置を課していた。
 東横インの違法改造は今年1月に発覚。国土交通省が全国調査したところ、63件のホテルで障害者用客室を会議室に転用するなどの違法改造が見つかり、各自治体から是正を求められた。
 新法では、自治体の改善命令に従わないホテルへの罰金も、旧ハートビル法で100万円だったのが、300万円に引き上げられる。
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2006年11月27日

津波警報、なぜ逃げぬ 誤解?余裕?

朝日新聞
津波警報、なぜ逃げぬ 誤解?余裕?

 択捉島沖の地震で、北海道に津波警報が出た。予想された高さは2メートル。しかし、多くの住民が避難しなかった。スマトラ沖地震で津波の恐ろしさを見せつけられた後、国内では初めての津波警報だった。「隣近所も逃げていない」「テレビを見ていても何の変化もない」。逃げない理由はさまざまだ。気象庁は津波予報の迅速化を進めるが、住民の避難にどう結び付けるかが課題となった。内閣府は27日午後に会議を開き、避難情報のあり方を検討する。
 宗谷湾に面した北海道稚内市声問地区。15日夜の地震で、この地区には地震発生から35分後に避難勧告が出た。地区に住む主婦(52)は、「隣近所も緊張感がなかった。テレビの映像を見て逃げようかと思ったけれど変化がないから大丈夫だと思った」という。
 避難勧告が出たのは夜9時前。地区の住民1710人のうち、避難したのは200人足らず。消防団員(54)は「漁師町なので寝ていた人も多かった。湾内は津波に弱いことはわかっているのだが……」と振り返る。
 北海道は当初、避難した人は1万3千人と発表した。避難指示・勧告対象者約13万人の約1割。避難所に行った人が中心で、実際に避難した人はこれよりも多いとみられている。
 今回の津波予想は、最大で2メートル、観測された津波は最大約80センチだった。人は何メートルの情報で逃げるのか。
 岩手県立大の牛山素行助教授(災害情報学)は今年、同県田野畑村沿岸部の村民にアンケートした。同村は、明治三陸地震で303人、昭和三陸地震で54人の津波による死者を出している。
 「2メートルの津波」で避難するとしたのは、回答者(191人)の4分の1。5メートル以上が過半数を占め、このうち10メートル以上も3割近くいた。
 牛山助教授は「台風の時の波浪の高さや遡上(そじょう)高と混同している」とみる。波浪の2メートルは波打ち際だけの高さ。2メートルの津波は、海面が2メートルせり上がり、そのまま陸側に押し寄せる。河川の上流に被害を出すこともある。津波がたどりついた高さ(標高)が遡上高で、同村は明治三陸津波で28メートルまで来ている。「過去の経験から判断しているが、間違えている知識もある。津波の高さの意味を住民に説明することが重要だ」と話す。
 宮崎大の村上啓介助教授(水工学)は、昨年の台風14号で被害を受けた宮崎市の大淀川沿いで、避難勧告が出た地域でアンケートを行った。433世帯の回答のうち、これまで被害経験のない地域の避難率が90%だったのに対して、被災経験がある地域の避難率は37%にとどまった。
 村上助教授は「過去の災害を経験したことが逆に、台風災害のリスクを過少に評価させ、避難率を低くした」と話す。
 村上助教授は、社会心理学で言われる「正常化の偏見」を指摘する。例えば、1万人に1人の割合で交通事故に遭う可能性がある場合、多くの人は自分は事故に遭わないと解釈するという。
 いろいろな災害で避難調査を続ける群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)は来月早々、北海道に調査に向かう予定だ。「人は自分だけは大丈夫だと判断してしまう。それぞれの地域に住民に避難を呼びかけるリーダーが必要だ」と話している。

〈避難情報〉
 災害対策基本法で、市町村長が発令する。災害が発生、あるいは発生の恐れがある場合、住民に安全な場所への立ち退きを求めるのが避難勧告、生命への危険が高まり、より急ぐのが避難指示。気象庁は50センチ程度の津波が予想される場合に津波注意報、1メートル以上の場合に警報、3メートル以上の場合に大津波警報を出す。
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津波警報、なぜ逃げぬ 誤解?余裕?

朝日新聞
津波警報、なぜ逃げぬ 誤解?余裕?

 択捉島沖の地震で、北海道に津波警報が出た。予想された高さは2メートル。しかし、多くの住民が避難しなかった。スマトラ沖地震で津波の恐ろしさを見せつけられた後、国内では初めての津波警報だった。「隣近所も逃げていない」「テレビを見ていても何の変化もない」。逃げない理由はさまざまだ。気象庁は津波予報の迅速化を進めるが、住民の避難にどう結び付けるかが課題となった。内閣府は27日午後に会議を開き、避難情報のあり方を検討する。
 宗谷湾に面した北海道稚内市声問地区。15日夜の地震で、この地区には地震発生から35分後に避難勧告が出た。地区に住む主婦(52)は、「隣近所も緊張感がなかった。テレビの映像を見て逃げようかと思ったけれど変化がないから大丈夫だと思った」という。
 避難勧告が出たのは夜9時前。地区の住民1710人のうち、避難したのは200人足らず。消防団員(54)は「漁師町なので寝ていた人も多かった。湾内は津波に弱いことはわかっているのだが……」と振り返る。
 北海道は当初、避難した人は1万3千人と発表した。避難指示・勧告対象者約13万人の約1割。避難所に行った人が中心で、実際に避難した人はこれよりも多いとみられている。
 今回の津波予想は、最大で2メートル、観測された津波は最大約80センチだった。人は何メートルの情報で逃げるのか。
 岩手県立大の牛山素行助教授(災害情報学)は今年、同県田野畑村沿岸部の村民にアンケートした。同村は、明治三陸地震で303人、昭和三陸地震で54人の津波による死者を出している。
 「2メートルの津波」で避難するとしたのは、回答者(191人)の4分の1。5メートル以上が過半数を占め、このうち10メートル以上も3割近くいた。
 牛山助教授は「台風の時の波浪の高さや遡上(そじょう)高と混同している」とみる。波浪の2メートルは波打ち際だけの高さ。2メートルの津波は、海面が2メートルせり上がり、そのまま陸側に押し寄せる。河川の上流に被害を出すこともある。津波がたどりついた高さ(標高)が遡上高で、同村は明治三陸津波で28メートルまで来ている。「過去の経験から判断しているが、間違えている知識もある。津波の高さの意味を住民に説明することが重要だ」と話す。
 宮崎大の村上啓介助教授(水工学)は、昨年の台風14号で被害を受けた宮崎市の大淀川沿いで、避難勧告が出た地域でアンケートを行った。433世帯の回答のうち、これまで被害経験のない地域の避難率が90%だったのに対して、被災経験がある地域の避難率は37%にとどまった。
 村上助教授は「過去の災害を経験したことが逆に、台風災害のリスクを過少に評価させ、避難率を低くした」と話す。
 村上助教授は、社会心理学で言われる「正常化の偏見」を指摘する。例えば、1万人に1人の割合で交通事故に遭う可能性がある場合、多くの人は自分は事故に遭わないと解釈するという。
 いろいろな災害で避難調査を続ける群馬大の片田敏孝教授(災害社会工学)は来月早々、北海道に調査に向かう予定だ。「人は自分だけは大丈夫だと判断してしまう。それぞれの地域に住民に避難を呼びかけるリーダーが必要だ」と話している。

〈避難情報〉
 災害対策基本法で、市町村長が発令する。災害が発生、あるいは発生の恐れがある場合、住民に安全な場所への立ち退きを求めるのが避難勧告、生命への危険が高まり、より急ぐのが避難指示。気象庁は50センチ程度の津波が予想される場合に津波注意報、1メートル以上の場合に警報、3メートル以上の場合に大津波警報を出す。
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2006年11月26日

入居希望者は一般人?暴力団員? 警察庁が情報提供へ

朝日新聞
入居希望者は一般人?暴力団員? 警察庁が情報提供へ

 入居を申し込んできた人物が暴力団員なのかどうか。警察庁は24日、全国で77万戸の賃貸マンションを管理する都市再生機構(横浜市)からのこうした問い合わせに応じることを決め、全国の都道府県警察に通達した。同機構が同日付で決定した暴力団員の入居拒否方針を支援する措置。同庁は個人情報の守秘義務を負う中で、暴力団排除の公益性を重視した。
 同機構は04年、旧都市基盤整備公団が主体となって統合された独立行政法人。来年1月4日以降に使う賃貸契約書に「暴力団排除条項」を盛り込み、入居資格に暴力団員でないことを明記する。
 公的性格が強い同機構は、これまで同条項の導入を見送ってきた。だが、01年ごろから東京都墨田区マンション一室が暴力団事務所のように使われるトラブルに見舞われ、同条項の導入を検討。同庁も今回の方針転換を受け、人物照会に応じることを了承した。
 警察の暴力団情報の取り扱いについては00年9月、同庁が、住民らの危険回避目的や暴力団組織に打撃を与える目的の場合には外部へ提供できるとの基準を策定している。現在は同基準に沿い、各警察署長らが個別に判断している。
 新たに住宅の入居にも暴力団情報を提供することについて、同庁は「公共性が高い分野であり、暴力団の排除につながる」としている。
posted by たけかん at 21:09| 岩手 霧| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月25日

「古都の景観守れ」京都市、屋上・点滅照明広告を禁止へ

朝日新聞
「古都の景観守れ」京都市、屋上・点滅照明広告を禁止へ

 京都市は24日、条例を改正して、点滅照明を使った屋外広告と、屋上に設置する広告を市内全域で禁止することを明らかにした。また、都市計画を変更して建物の高さ規制を強化するほか、京都らしい景観を守るための新条例をつくり、規制内でも眺望を阻む建物は認めない「標高規制」を採用する。いずれも来年度の実施を目指す。
 市によると、点滅照明はパチンコ店や飲食店の歩道の立て看板など数多くある。屋上の広告は許可しているものが約400カ所ある。
 「京都市屋外広告物等に関する条例」ではこれまで、点滅照明は四条河原町など繁華街で、屋上の広告は市街地全般で認めていた。これを改正し、市全域で禁止する。
 違反した広告をつくった業者は、営業停止や登録取り消し処分とし、公表することができるようにする。条例改正によって不適格になる広告物は改正後1回に限り許可されるが、最長で6年以内に改めることを義務付ける。
 さらに、市内の建物の高さは、上限を45メートルから31メートルに厳しくする。既存の建物については建て直す際に上限の規制がかかる。
 市が規制強化に踏み出した背景には、町家が並ぶ京都らしい風景が減り、高層マンションが増える現状に対する危機感がある。市に届け出があった3階建て以上で15戸以上の共同住宅は、03年度が137件、04年度が194件、05年度が204件と増えている。さらに今年、四条河原町では路線価が前年に比べ17%近く上昇した地点があった。
 新たにつくる眺望保全に関する条例では、賀茂川から見る「大文字」や借景で知られる円通寺の庭園から見る比叡山など、守るべき眺望として38地点をリストアップ。高さ規制を守っていても、眺めを遮る建物は認めない「標高規制」を採用。地点ごとに建物の高さやデザインを規制する区域などを定める。
 例えば、世界遺産に登録されている清水寺の境内からの眺めの場合、半径500メートルの範囲で「屋根は切り妻、寄せ棟、入り母屋のいずれかで日本瓦か銅板葺(ぶ)き」などと細かく定める。

〈キーワード:京都の景観論争〉
 1960年代中頃に起こった京都タワー(131メートル)建設の反対運動が「第1次景観論争」、バブル期以降の市中心部のマンション開発への市民団体の反発が「第2次景観論争」と呼ばれる。論争は京都ホテル(60メートル)や京都駅ビル(59.8メートル)の建設計画が進んだ90年代初頭にピークに達した。いずれも事業者の建築許可申請に対し、市が「活性化」を目的に規制緩和し、市民が反発するという構図だった。
posted by たけかん at 22:31| 岩手 | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月24日

木造住宅実験、耐震基準内でも倒壊? 産学研究会

朝日新聞
木造住宅実験、耐震基準内でも倒壊? 産学研究会

 建築基準法に定められた耐震強度を守って建てた木造住宅でも、阪神大震災(震度7)クラスの地震で倒壊する危険性があることが、国土交通省の外郭団体などの実験で分かった。震度6強〜7程度で倒壊しないことを目標に定めているはずの国の耐震基準が、巨大地震への備えとして十分でない可能性が浮かび上がった。昨年11月に発覚した耐震強度偽装事件ではマンションの強度に注目が集まったが、木造住宅の耐震性も検証が求められそうだ。
 実験をしたのは、国交、経済産業両省の外郭団体、建材試験センター(東京都)に設けられた「木質構造建築物の振動試験研究会」(委員長=坂本功・慶応大教授)。同センターや大学の研究者、住宅メーカーの産学協同で、04年から取り組んできた。
 実験では、独立行政法人・土木研究所(茨城県つくば市)にある振動台(縦8メートル、横8メートル)を使用。延べ床面積106平方メートルの木造2階建て3棟を振動台の上で揺らし、耐震性を調べた。3棟は壁の厚さなどの違いで設計上の強度が異なり、壊れ方の差を比べた。
 3棟のうち最も弱い建物は建築基準法の耐震基準と同じ強度で、国の住宅性能表示制度では「耐震等級1」。阪神大震災の際に神戸海洋気象台が観測した地震波(818ガル)を再現して等級1の建物を揺らしたところ、1階の柱や筋交いが折れ、実質的に倒壊したという。
 等級2(基準の1.25倍の耐震性)では壁板が浮いたり、柱のかすがいが抜けかかったりしたが、倒壊はせず、等級3(1.5倍の耐震性)は変形したものの、構造部分はほぼ無傷だった。
 3棟には、内壁や内外装がほとんどないが、建物の強度は、柱やはりなど構造部分で確保するのが基本とされる。
 国交省によると、基準法の耐震基準は「震度6強、7程度の大地震で人命に危害を及ぼすような倒壊などの被害を生じないこと」を目安にしている。阪神大震災でも、現行基準で建てられた82年以降の建物に大きな被害が少なかったことから、「現行の基準はおおむね妥当」としてきた。
 実験結果について、坂本教授は「現行の建築基準法は、巨大地震への備えが必ずしも十分ではない。また、木造住宅の耐震性能の評価基準も、実際の強度とズレがある。住宅の設計や耐震補強に携わる者は、余裕のある強度をめざすべきだ」と話す。
 国交省は「実験で倒壊した建物は通常の住宅と異なり、耐震基準通りの木造住宅がただちに危険とは言えない。基準の見直しは考えていない」としている。ただ、木造住宅の耐震性については、データ収集の必要があるとして、年度内にも実物大のモデルを使った実験に取り組む予定だ。

〈キーワード:耐震等級〉
 住宅性能表示制度に基づく建物の構造の強さの目安で、地震に対する倒壊、崩壊のしにくさを表す。等級1〜3の3段階で示し、等級1は、建築基準法に定められた最低基準と同等で、数百年に一度発生する地震(各地で異なり、東京は震度6強〜7)でも倒壊しない強さ。既存住宅の等級は民間検査会社が有料で評価している。また、基準法以上の耐震性があるかどうかは、自治体などが行っている耐震診断で知ることができる。 建築基準法に定められた耐震強度を守って建てた木造住宅でも、阪神大震災(震度7)クラスの地震で倒壊する危険性があることが、国土交通省の外郭団体などの実験で分かった。震度6強〜7程度で倒壊しないことを目標に定めているはずの国の耐震基準が、巨大地震への備えとして十分でない可能性が浮かび上がった。昨年11月に発覚した耐震強度偽装事件ではマンションの強度に注目が集まったが、木造住宅の耐震性も検証が求められそうだ。
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2006年11月23日

公図の6割に1m以上のずれ 国交省調査

朝日新聞
公図の6割に1m以上のずれ 国交省調査

 土地の実際の境界から1メートル以上ずれて描かれている「公図」が、比較的人口の多い市区町で約6割もあることが、国土交通省の調査でわかった。公図は土地の区画を示す資料で、明治期に作製された図面を流用していることが多いためだ。同省は24日から、確認が済んだ14都府県の21市区のずれの状況をホームページで公表する。ずれの程度を5段階で表示するが、土地1筆ごとのずれは、個人情報の保護などを理由に明らかにしない。
 1メートル以上のずれがあった公図は、公表対象の約1万9600枚のうち約64%(約1万2400枚)。10センチ未満しかずれのない公図は約4%(約800枚)だけで、ずれのない公図はなかった。
 土地の境界や面積の測量・確定作業として、戦後まもなくの51年から市町村による「地籍調査」が続いている。しかし権利関係が複雑で、実施率は今なお全国平均で47%にとどまる。公図のずれは古くから指摘されているが、大規模な実態調査は初めて。今回の公表分は調査対象の5%で、来年度中に全国の約700市区町(約1万平方メートル)の調査結果を公表する。
 公図が不正確で売買時にトラブルになることが多く、国交省は調査結果をもとに市町村に地籍調査の早期実施を促す考えだ。
posted by たけかん at 22:27| 岩手 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月22日

陥没問題 津市、再発防止策へ

読売新聞-三重
陥没問題 津市、再発防止策へ

調査検討委報告書案 空洞原因はっきりせず
 津市半田の住宅地で相次いだ陥没は、造成時の盛り土に地下水などがたまり、地下にあった空洞を押しつぶしたことが原因だった。市は今後、陥没地点の再発防止策に取りかかるが、一方で、造成した業者の工事の不備なのか、陥没した市道を敷設した際の工事のあり方に問題があったのかなど、責任問題が浮上しそうだ。
 市の調査検討委員会(委員長=酒井俊典・三重大大学院教授)は21日、会見し、陥没原因を推定した報告書案を公表するとともに、具体的な対策を市側に提案したことを明らかにした。
 調査委は、造成時の盛り土が元々の地下水の流れを変えた可能性があると指摘したほか、地下の火山灰層(磨き砂層)は水に弱く、地下水がたまった盛り土の圧力で空洞が押しつぶされたと説明した。
 空洞については、「自然発生したものか、磨き砂の坑道なのか、はっきりしない」と明言を避けた。
 市は現在、現場地点の地層を固める応急対策工事に取りかかっているが、調査委は「地下水の処理を考慮していない」とも指摘。陥没地点へ流れる地下水を防いだうえで、硬質な岩盤の表面まで、地層全体をセメントなどで固めることが望ましいとしている。
 現場一帯の地下にはかつての磨き砂の坑道が多数あるとされ、市は、不安を募らせる住民に対して説明会も開いてきたが、責任問題については、「陥没の原因がはっきりしてからだ」としてきた。
posted by たけかん at 21:21| 岩手 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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