電気床暖房が焼ける事故約70件 メーカーが報告
ジェイ・ビー・エイチ(金沢市)製の電気床暖房で床面が焦げたり、変色したりする事故が04年以降、全国で約70件起きていることが分かり、経済産業省は21日、電気用品安全法に基づき、同社に詳しい報告をするよう指示した。同社は同様の製品をほかにも輸入・製造しており、ほかに事故がないかの報告も求める。熱に弱い材料を使ったのが原因とみられ、同省は技術基準に適合していない可能性もあるとみて調べる。
ジェイ・ビー・エイチ(金沢市)製の電気床暖房で床面が焦げたり、変色したりする事故が04年以降、全国で約70件起きていることが分かり、経済産業省は21日、電気用品安全法に基づき、同社に詳しい報告をするよう指示した。同社は同様の製品をほかにも輸入・製造しており、ほかに事故がないかの報告も求める。熱に弱い材料を使ったのが原因とみられ、同省は技術基準に適合していない可能性もあるとみて調べる。
巨大地震によって発生が予測されるゆっくりとした揺れ「長周期地震動」で、高層ビルなどが現行想定以上の揺れエネルギーを受け、大きく損傷する恐れがあるとして、土木学会と日本建築学会は20日、こうした建築の耐震性見直しを求める共同提言を発表した。個別の建物ごとに安全性を検討し、必要に応じて補強することが望ましいなどともしている。大都市を中心に波紋を広げそうだ。
長周期地震動は、東海、東南海地震などの巨大地震が起こった場合、東京や大阪、名古屋などの大都市を襲うと予測されるが、その影響は詳しく分かっていなかった。両学会は、03年の十勝沖地震に伴う長周期地震動で石油タンクのふたが長時間揺れて火災を起こしたことなどをきっかけに、04年から調査と研究を進めてきた。
巨大地震が起こった際の各地の長周期地震動を予測した研究成果を集めた結果、その予測地震動により建物が受けるエネルギーは、これまでの設計で使われてきた標準的な揺れの2〜4倍にもなることが分かった。
影響を受けやすい60メートル以上の高層ビルについて、建築学会が検討した範囲では、倒壊が推定されることはなかった。ただ、建物の揺れ方は、地下構造や建物の高さなどによって大きく違うため、特定の建物に大きな変形などの損傷が生じる恐れはあるという。また、長周期地震動は揺れが数分以上続き、建物に繰り返し損傷を与える恐れがあるため、累積した損傷の影響についても考える必要があるという。
現在、高層ビルの耐震性は「倒壊しないこと」「限度内の損傷」を条件に、国土交通省の指定性能評価機関が評価、審査している。
今回の提言では、個別の建物ごとに安全性の検討をして、耐震性を上げる必要があれば、補強をすることが望ましいとした。中でも現行の想定に基づいても十分な安全性の余裕がない建物については、早急な検討が必要だとしている。
浜田政則・土木学会長(早稲田大教授)は「長周期地震動も含めた巨大地震が土木構造物や建築物などの社会基盤に与える影響をさらに詳しく評価し、どう対策を立てるか政府でも検討してほしいので、中央防災会議などに提言を届け説明する」と述べた。
姉歯秀次・元1級建築士による耐震強度偽装を国土交通省が発表してから1年となる17日、冬柴国交相は閣議後の記者会見で、中高層建築物の耐震性について、まだ国民に対する「安全宣言」を出せない、という考えを示した。
同省が姉歯物件以外の検証として、民間検査機関が確認した耐震強度が基準ぎりぎりの103件を調べたところ、15件に構造計算の不備が判明。一部は強度不足が濃厚だ。また、全国387の分譲マンションを抽出したサンプル調査でも、これまでに問題なしと判定されたのは74件。
冬柴国交相は「今日までに結論を出して不信感を払拭(ふっしょく)したかったが、安心くださいと申し上げるところまでいっていない」と説明した。
制度の不備に対する国の責任については、「非常に難しい法律判断を伴う」と明言を避け、「住民の立場で損害を軽くする方策を実行している。これが国の責任の履行ではないか」と述べた。
■「未知の手法」発見困難
姉歯秀次・元1級建築士による耐震偽装発覚から1年。その後、偽装問題は道内にも飛び火し、今年3月に浅沼良一・元2級建築士による偽装が明らかになった。一連の問題をきっかけに、各自治体のチェック態勢は改善されたのか。構造計算書の再計算などの対策を始めたものの、「想定外の新たな偽装は防げないかも知れない」と担当者は不安を口にする。
道内で浅沼氏が関与した物件は143棟。このうち偽装もしくは不適切な計算があったのは35棟。建築確認を担当した自治体別では札幌市32棟、道2棟、小樽市1棟だ。これらのうち、計23棟で耐震強度が不足していた。
「姉歯、浅沼両氏のやり方ならば、確実に偽装は発見できる」
道の担当者は「職員の研修などで両氏の偽装方法は学んだ」と話す。道は国交相認定プログラム3種類を480万円で購入、1種類をリース契約した。道立北方建築総合研究所で一定規模以上の建物について構造計算書を再計算している。
さらに、建築確認の申請時、元請けの設計事務所だけでなく、下請けで実際に構造設計を手がけた事務所や担当者の氏名を届けさせるようにした。
札幌市も同様の対策のほか、新たに構造計算した際に使った磁気データを提出させ、これらのデータを無作為に選んで再計算している。
それでは、住民の生命にかかわる耐震の偽装は二度と起きないのか。
道の担当者は「まだ、盲点があるかもしれない」と話す。両氏の偽装が明るみに出るまでは、そもそも入力データのすり替えなどは想定していなかった。
改善したという現在のチェック態勢でも、「プログラム自体の改ざんなどは排除できない」(札幌市)、「作為的にやられれば発見は困難」(小樽市)という。
浅沼氏の偽装を未然に防ぐことは不可能だったという認識は、担当職員の責任問題にも反映されている。
道は浅沼氏の建築士免許を取り消し、同氏に構造設計を発注した1級建築士事務所の登録を取り消した。しかし、偽装を見抜けなかった職員の処分は「必要はない」と判断。札幌市は「再計算しなければチェックできないものだった」、小樽市は「見抜くことは難しいと思われる」としている。
■補強工事 完了待つ165戸
―― 住民が全員退去 小樽のマンション
浅沼良一・元2級建築士の構造計算の偽装で、住民全員が退去した小樽市築港の賃貸マンション「小樽ベイサイドシティ7、8」(10階建て)。現在、施工した大手ゼネコン「鹿島」によって、補強工事が進められている。
同市などによると、住民の引っ越しは4月から始まり、工事は9月にスタート。来年1月末の完了を見込んでいる。
建物を覆っていたシートは徐々に外され、工事が後半に入ったことを示している。
浅沼氏は構造計算で、耐震壁の開口部分の大きさを実際より20〜30センチ小さく入力。耐震基準は国の定める1・0を下回り、下層部で0・54、上層部でも0・74だったとされる。
補強工事により、耐震強度は1・0になる。鹿島は6月、建築基準法に基づく是正計画書を提出。市は日本建築防災協会・違反是正計画支援委員会に助言を求め、8月に「耐震性能を満たしている」との判定を得た。
同市によると、9月末現在、退去した182戸のうち、165戸が再び入居を希望しているという。
国土交通省は17日、東京都港区で高校生が死亡した事故を受けて実施した全国のシンドラーエレベータ製エレベーターの緊急点検の結果を発表した。全6273基のうち102基に部品交換や調整が必要な不具合が見つかった。月当たりの不具合発生率は1.7%で大手5社平均の1.2%よりは高いが、同省は「突出して多いとは言えない」との見方を示した。
過去1年間の不具合発生件数は1294件で、港区の事故同様、戸が開いたまま昇降したのは2件。港区の事故以外の過去の人身事故は3件で、床の段差などで3人が重軽傷を負っていた。
今後、今回の結果も踏まえて、外郭団体の財団法人日本建築設備・昇降機センターに設ける「エレベーター安全対策検討委員会」(仮称)が安全基準や保守管理の改善策を検討し、その結果を見て告示の改正などを行う。
耐震強度の偽装を防ぐために新設される構造計算の第三者審査(ピアチェック)をめぐり、47都道府県のうち30道府県が、チェック役となる専門家の確保が困難か、必要な数を満たせない恐れがあるとみていることが朝日新聞の調査で分かった。審査に必要な高度な専門知識を持つ人材が地方に少ないのが主な理由だ。ピアチェックは偽装事件をきっかけに検討された再発防止策の目玉。来年6月までの導入が決まっているが、専門家の確保が難航すれば、円滑な建築確認の業務に支障を来すほか、質を維持できない恐れも出てきた。
国土交通省が昨年11月17日に強度偽装を公表してから1年になるのを機に調査した。
ピアチェック制度は今年6月に成立した改正建築基準法に盛り込まれた。高さ13メートル超の木造や20メートル超の鉄筋コンクリート造りなどの建物の建築確認にあたって、申請された内容を「構造計算適合性判定機関」が専門家同士の立場で互いに審査し合う仕組み。判定機関は都道府県知事が指定し、日本建築構造技術者協会(JSCA)認定の建築構造士や、構造設計専攻の研究者を「判定員」に想定している。
47都道府県に確認したところ、37都府県が判定機関設置で構造計算書の偽造を「防止できる」と回答し、導入への期待が高いことが分かった。
ところが、判定機関指定の準備が進んでいるかについては、すでに指定先が「決まっている」と答えたのは秋田、埼玉、愛知、兵庫、福岡など10県。判定員確保の見通しについて、「確保できる見通し」と回答したのは11都県だった一方、「域内での確保は困難」が新潟、島根、長崎など11県、「不足する恐れがある」は北海道、岐阜、京都、大分など19道府県にのぼった。
判定員の能力を持つ人材は都市部に集中しており、国交省は「県外の機関を指定しても問題ない」としている。しかし、自治体側は「首都圏の一部機関に指定が集中すれば審査件数が多くなって業務が滞るのではないか」「地元に指定機関を置けなければ設計側と審査側が対面するにも時間や費用の負担が大きい」と懸念している。
全国に2500人余いるJSCA認定の建築構造士は首都圏に集中している。しかも、大半が実務家で、何人が判定員を引き受けるかは未知数。建築構造士の数がもともと少ない地方の自治体にとっては、首都圏の判定機関に頼らざるを得ない状況だ。
蘇我馬子が創建した日本最古の寺として知られる奈良県明日香村の飛鳥寺で、7世紀初めにつくられた講堂の巨大な礎石などが見つかった。奈良文化財研究所が13日、発表した。基壇上に穴を掘って礎石を据えるなど、後世の寺社と同じ基礎工事をしていたことが判明。同研究所は「こうした建築技法が7世紀初頭にさかのぼることが確実になった。日本の寺社建築は飛鳥寺がモデルだった可能性もある」と話している。
今回発掘された礎石は4個で、大きいものは直径約1.5メートル。上面が直径約80センチの平らな円形に加工されており、直径約60センチの柱が立つ立派な講堂だったとみられる。
文献によると、飛鳥寺は6世紀末に蘇我馬子が発願し、百済などから招いた技術者が最先端の技法を用いて建立。3つの金堂が塔を囲む特異な伽藍(がらん)配置で、僧が読経や学問をする講堂は7世紀初めに完成したらしい。
講堂跡は過去にも発掘されて礎石の位置などが分かっており、南北約19メートル、東西約35メートルの建物と推定されている。
山形で学生ら企画
現存する蔵を活用することで地域活性化を目指す東北芸術工科大(山形市)学生らのグループ「ヤマガタ蔵プロジェクト」が、山形市内で物置に使われていた明治時代の「座敷蔵」をギャラリーに改築した。今月1日にオープンしたギャラリーでは絵画展が開かれており、雰囲気や芸術作品を楽しむ観光客らでにぎわっている。プロジェクトが手がけた蔵改築はこれで2件目で、ほかにも県内外から5件の再生依頼が寄せられているという。
ヤマガタ蔵プロジェクトは、同大や山形大の学生らが中心となって2003年に発足。同年には、戦前に倉庫として使われていた■山形市内の蔵を、所有者の協力でカフェバーとして再生させた。蔵の情報誌を無料配布しているほか、見学ツアーや芸術作品展なども主催している。
新たにギャラリーとして生まれ変わったのは、同市諏訪町の元公務員駒谷修二さん(60)方にあった畳敷きの座敷蔵。明治初期に建てられ、かつては駒谷さんの両親が生活していたという。
駒谷さんは05年春、プロジェクトが配布している蔵の情報誌を読み、「物置にしか使っていない座敷蔵をギャラリーにしたい」と依頼。学生らは、「生活空間である座敷の特長を生かし、様々な企画を通じて市民が親しめる建物」を目指し、1年近く構想を練り続けた。
座敷蔵の改築は業者に依頼し、開放感を持たせるため、ガラスを多用するなど工夫。今月1日にギャラリー「蔵『ダイマス』」としてオープンした。斜め向かいには、一部ガラス張りのモダンなギャラリー「絵遊(かいゆう)」が新築され、渡り廊下でつながっている。絵遊では絵画展が開かれているほか、今月下旬からはギャラリー完成までの経過をたどったパネル写真展が行われる。
プロジェクトの学生代表で東北芸術工科大4年の田中亜依さん(22)は、「蔵という空間を、人と人とが集う場として活用することができた。蔵が街のシンボルになっていくことがうれしい」と話している。学生らは現在、再生依頼が寄せられた5件から、新たに手がける計画を選定中だという。
石原慎太郎東京都知事は10日の記者会見で、広告枠付きの新しい都営バスの停留所を設置すると発表した。2006年度中に新宿区の都庁第一庁舎前にモデル的に設置し、07年度から3年間で都心部に約100カ所設置する。広告収入でバス停の設置費や維持管理費を賄う予定。バス事業者がこうした事業を直営で展開するのは全国初という。
新バス停の規格は、幅4.5メートル、高さ2.7メートル、奥行き1.8メートル。フレームにステンレスを使い、強化ガラスを風よけに使用。広告枠は風よけ部分に設け、屋根に照明用のソーラーシステムを付ける。デザインは新幹線「のぞみ」の車両の形などを手掛けた首都大学東京の福田哲夫教授に依頼した。(時事)
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